炭水化物の選び方

炭水化物の選び方

この記事を読むことで、その時々の目的に合った炭水化物の選び方が分かるようになります。

 

また、今回ご紹介する内容を無理のない範囲で継続することでダイエット(ここでは除脂肪の意)の強い味方にもなってくれるはずです。この記事を参考に食事量を減らすダイエットから、栄養成分を意識するダイエットへ切り替えてみるのもいいかもしれません。

 

それでは炭水化物の選び方についてみていきましょう。

目的に合った炭水化物の選び方

※①( )内の数値はグリセミック・インデックス(GI値)

※②%はアミロースの含有率を表している。

普段の食事

普段の食事ではなるべく腹持ちをよくすることで過食を防ぎ肥満予防に努めたいところなので、比較的GI値の低い食品を選択することをお勧めします。

 

低(55≧)~中GI※①(56~69)

・豆類(20~40)・玄米 約16%※②(56)・そば 約29.2%(59)

トレーニングの2〜3時間前

トレーニングの前はトレーニング中のエネルギーを確保する必要があるので、消化から吸収までにかかる時間を考慮して中〜高GI値の食品を選ぶことをお勧めします。

 

中(56~69)~高GI(70~100)

・もち米 0%(85)・米 約20%(84)・玄米 約16%(56)・うどん パスタ 約25.5%(65)・そば 約29.2%(59)

トレーニング数十分後

トレーニング後は失ったエネルギーを素早く補給することでトレーニング効率が高まるので高GI値の食品を選ぶことをお勧めします。

 

高GI(70~100)

・マルトデキストリン 約26%(100)

※ワキシーコーンスターチ 0%(100)

 

・もち米 0%(85)

※アミロペクチン※③100%(アミロペクチンが多いとモチモチ食感になる。餅だけに・・・)

 

・コシヒカリ 約16%(84)


 

※①GI・・・食品ごとの血糖値の上昇度合いを間接的に表した数値。GI値ともいう。( )内の数値。基本的には食物繊維が多く含まれている食材は低GIに分類されます。

 

※②・・・%はアミロースの含有率を表しています。アミロースとはデンプン(炭水化物)の一種で、これが多いほど消化にかかる時間が長くなるので腹持ちが良いとも言える。また少ないほど腹持ちは悪いが、消化吸収が良く素早い栄養補給を行いたい時には有効である。

 

※③・・・炭水化物には多糖類であるデンプンが多く含まれている。その構成成分がアミロースとアミロペクチンである。アミロースはブドウ糖が鎖のように連なっている構造に対し、アミロペクチンは枝分かれの多い構造のため、お互いが絡み合うことで粘り気が出るのが特徴です。

GI値を変える理由

炭水化物に限らず、食べたものがエネルギーに変わるまでには時間がかかるからです。

 

【食べ物がエネルギーになるまでの流れ】

  1. 食べ物(口から入り)
  2. 咀嚼(歯で噛み砕き)
  3. 消化(胃で消化され)
  4. 吸収(腸内で吸収され)
  5. エネルギー(血液中へ流れ細胞へ)

この流れを見ると、ただ食べただけではエネルギーとして体で利用するこが難しいのがお分り頂けたと思います。効率よくエネルギーを利用するためにも、その時々の目的に合った炭水化物を選ぶ必要があるのです。

 

「今からハードにトレーニングするぞー‼︎」という直前に、大盛りの焼肉定食を食べることはまずありませんよね?

 

なぜなら、運動時には胃に食べ物が残っていない状態が望ましいからです。もし、胃に食べ物が残っている状態でトレーニングを行なった場合、血液が胃へと移動しているので消化不良の原因になったり、筋肉の張り感が弱くなるなどメリットよりデメリットの方が多くなってしまうからです。

 

もし、トレーニングの直前やトレーニング中にエネルギーを補給したい場合は、マルトデキストリン(粉飴)やクラスターデキストリン(CCD)を水に溶かした飲料からエネルギー補給を行いましょう。

実際の考え方

普段の食事(トレーニングなし)

普段の炭水化物は食物繊維が多く含まれる腹持ちの良いものを選ぶことをお勧めします。

 

食物繊維(目安:成人男性20g/日 女性18g/日)の含まれた玄米などの炭水化物を摂取することで若干ではありますが脂肪の吸収を抑えてくれたり、善玉菌のエサにもなります。その結果、腸内環境が整いお通じが良くなる場合もございます。玄米は苦手という方は大麦を白米に混ぜることで食物繊維を補う事もできますし、意外と知られていませんが大麦には玄米の約3倍の食物繊維が含まれています。さらに100g中の食物繊維の割合が水溶性6g、不溶性3.6gと比較的理想の割合に近いのも嬉しいですね。

 

穀物から摂る食物繊維には糖尿病の予防効果も期待されています。また、この効果は野菜や果物から食物繊維を摂取した場合には「分からない」とのこと。食物繊維が多いと腹持ちが良いためダイエット中の食べ過ぎを防いでくれるかもしれません。

 

また、私たちは不溶性の食物繊維を摂っている割合が多い傾向にあるため、海藻、果物を今よりも少しだけ増やした方が良さそうです。1日350gを目安に海藻、野菜、果物を摂るようにしてみましょう。

トレーニングの2〜3時間前

胃腸へ負担をかけないように消化の早い中~高GI値の炭水化物を摂ることが良いと言えます。

 

トレーニング中のエネルギー不足はパフォーマンス(集中力・体力など)の低下や筋肉の分解が促進されてしまいます。トレーニングでより良い効果を得るためにも体内にエネルギーを賢く補給しておく必要があります。

 

この場合、脂肪分の多いものを控え白米やうどんなど、ある程度消化吸収の良い炭水化物を摂るようにしてみましょう。また、1時間前にプロテインなどからタンパク質を追加することでトレーニング中のタンパク質の分解を抑制してくれます。

トレーニング後

消化吸収の早い高GIの炭水化物が良いと言えます。

 

トレーニングで使われたエネルギーを直ぐに補給し筋肉を修復する必要があるからです。よって、消化吸収の早い炭水化物を摂取することをおすすめします。また消化吸収の早い炭水化物は血糖値を上昇させインスリンの分泌を促しタンパク質の合成を促進してくれますのでダイエットやボディメイク、競技力向上などを目的としてトレーニングをされている方にとってトレーニングはこの瞬間を作り出すために行なっていると言っても過言ではないと思います。

まとめ

・普段の食事は玄米・そば・豆・大麦など低〜中GIの食材を摂る(食べやすいように組み合わせてみましょう)

・筋肉の分解を少しでも抑えるためにトレーニング前には炭水化物+タンパク質をとる

・トレーニング前は中~高GIをとる(砂糖、果糖などが多く含まれるものは控える)

・トレーニング後は高GIを摂る


おまけ

①トレーニング前の炭水化物ですが、それぞれ個人に適した摂取タイミングや自分に合った食べ物(炭水化物)を見付けることでトレーニング中のパフォーマンスを上げることができます。「感覚的にこれが良い」「トレーニング中の筋肉の張りが良い」など、体感しながら記事を参考に自分に合ってると感じるものを探してみるのも良いかもしれません。

 

②漫才コンビの麒麟、田村さん?だったと思いますが、お米をずーーっと噛んでたら甘くなると言ってたと思います。

これは、唾液に含まれる消化酵素(アミラーゼ)がデンプンを分解することでブドウ糖へと変化した結果、甘みを感じられたことになります。

 

「味の向こう側」とか言ってたような・・・

 

なんて言ってましたっけ?・・・笑


この記事を書いた人

名前:塚本勇也 専門:ウエストデザイン 実績:2013年北区ボディビル・フィットネス選手権大会170cm以下級第4位/2019年群馬県オープン・メンズフィジーク選手権大会168cm以下級準優勝 著書:『ウエストばか』2019年5月20日発売 保有資格:全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー/全米エクササイズ・スポーツトレーナー協会認定ニュートリションスペシャリスト/日本コアコンディショニング協会認定ペルビックコンディショニングトレーナー/日本コアコンディショニング協会認定ベーシックトレーナー/モチベーションアカデミー認定FITNESS MOTIVATOR®︎/MEDICAL GROW UP ACADEMY認定 CBAT Basic・Advance・PNF/整体師 など



※この内容が全てではございません。

※ケトジェニック中(C10%≧)は異なります。

 

参考文献

Carbohydrates before resistance training ncbi


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